シワを取るヒアルロン酸注射は、注射後に凸凹(でこぼこ)になるので嫌だと言われる方がおられます。一旦そのような経験をされたり、インターネットでそのような情報を耳にしたりすると、なかなか不安を解消することはできないですね。
でこぼこになる原因は 、柔らかい部分に硬いヒアルロン酸注射を注射してしまうこと、きわめて薄い皮膚の部分にうってしまうこと、ヒアルロン酸自体を浅くうってしまうこと、量が多すぎることなどが原因として考えられます。
具体的には、下眼瞼はきわめて皮膚が薄いので、直接シワを消そうと浅めにヒアルロン酸を注射すると、たとえ柔らかいヒアルロン酸を使っても凸凹になります。
顔でも場所によって厚みが違います。形成外科医は、顔のあるゆる場所にメスを入れることがあるので、実際にこの目で皮膚の厚みを見ているので、長年の経験で顔の皮膚の厚みは知り尽くしています。ですから、皮膚の薄い部分にヒアルロン酸を誤って浅く打ってしまうことは少ないです。
どうしても、浅いシワを治療したい場合は、きわめて軟らかい非架橋タイプのヒアルロン酸を用いると凸凹になりにくいですが、吸収されやすいので持続が短く、定期的なメンテナンスが必要です。
このような判断や技術は、長年の経験がなくとも、現在はインターネットを含め情報があふれているので、担当医師が謙虚に自らのテクニックや診断能力を顧みることで、 無用な副作用を減らすことができます。私自身もこれからさらに常にアンテナを立てて大切な情報は見逃さないように努力を続けます。